働き盛りの中年の人たちの中には、
肝臓病に対して大きな不安を抱えている人が思いのほか多いようです。
日頃、仕事の関係で飲み会が多かったり、ストレス解消のためだったりと、
つい、飲み過ぎたり、食べ過ぎる機会が増えて、
肝臓にかなりの負担をかけていると感じているのではないでしょうか。

肝臓病は、日本国内では、
ガン、心臓病、脳卒中に次ぐといわれており、その肝臓病の原因は、
A型、B型、C型、D型、E型、G型といったウイルス性肝炎によるものが
全体の約8割を占めています。
残りは、お酒の飲み過ぎや食べ過ぎなどによる肝障害です。
日頃の生活習慣が原因で起こる肝障害は、全体の割合からみれば、
2割に満たないほど少ないのですが、
もし、肝臓に何らかの異常が起きていても、
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれており、なかなか自覚症状があらわれません。
もし、体に異変が起きて自覚症状があらわれたときは、
肝臓自体がギリギリの限界を感じてSOSのサインを発している状態であり、
肝臓病がかなり進行しているということになります。
やはり、肝臓病も他の病気と同様に、早期発見、早期治療が大切ですので、
不安を感じたときは自己判断することなく、
直ぐに病院へ行って検査を受けて下さい。
万が一、肝臓病にかかっていたとしても、早期の治療ができれば、
軽症にとどめて完治することができます。
それでも肝臓は病気の初期段階で、
何らかの体の変調を異変のサインとして送っています。
それでは、肝臓の異変によって起こる症状を挙げますので、
不安を抱えている人は、ぜひ、チェックしてみて下さい。
☆ 体がだるくて疲れやすい
急性肝炎の初期にみられる症状ですが、風邪を引いたときの症状と同じなので、
肝臓病とは気づかずに見過ごしてしまうことがあります。
☆ 食欲がなく吐き気がする
急性肝炎の初期や慢性肝炎が急に悪化したときにみられる症状ですが、
夏バテや胃腸病、風邪など、ほとんどの病気と同じような症状のため、
肝臓病と判断するのは難しいです。
☆ お酒が飲めなくなる
お酒に強い人が、アルコールを分解する肝臓の働きが低下して、
急に弱くなったり、悪酔いするようになります。
この場合、疲労による体調不良が原因と思ってしまいがちですが、
何らかの肝障害にかかっている可能性があります。
☆ 黄疸があらわれる
肝臓に障害が起こると、
胆汁の排泄が滞って黄色の色素のビリルビンが血液中に増えます。
すると、ビリルビンが肌や目の結膜に付着して
肌や白目の部分が黄色になって黄疸としてあらわれます。
ですが、本来、日本人は黄色人種であるため分かりにくく、
また、みかんなどを食べ過ぎると、一時的に、顔や手が黄色くなったり、
溶血性貧血などの病気でも黄疸があらわれるので、
簡単には肝臓病とは判断できません。
通常、黄疸は、白目の部分から顔や手、胸などの肌といった順番で
広がっていきますが、ビリルビンが尿に混ざると、
コーヒーのような濃い褐色の尿が出ることがあります。
それとは反対に、便は、白っぽくなります。
その他、「腹水がたまる」「手のひらが赤くなる」
「上半身の肌にクモ状の血管が浮き出る」「男性の乳房がふくらむ」
「吐血、下血が起こる」などの症状が挙げられます。
このような症状の中には、肝臓病として判断できないものが多くありますが、
肝臓病を早期に発見するには、少しでも気になる点があったら、
自己判断することなく、直ぐに病院へ行って検査を受けることです。