以前は、スポーツジムなどで筋力トレーニングに励んでいる人が、
プロテインをシェイカーの中に入れてシャカシャカとシェイクして
飲んでいる姿を見かけると「一体何を飲んでいるのだろう・・・?」と
不思議がって見ている人は多かったのではないでしょうか。

ですが、今は「筋肉つくりに必要なプロテイン」という感じで、多くの人が知るようになり、
実際、コンビニなどでも「プロテイン〇〇」といった商品が数多く並べられています。
ただし、プロテインは、摂るだけで筋肉がつくような特効薬や魔法の粉ではありません。
ただのタンパク質加工食品で、炭水化物、脂質と共に、三大栄養素の一つになります。
筋肉は、水以外の約80%がタンパク質で構成されているので、
プロテインは筋肉の材料となり、筋力トレーニング、休息と並び、
筋肉づくりに必要な条件のうちの一つになるわけです。
さらに、タンパク質は、内臓、血管、皮膚、髪など、
人の体のあらゆる部分の組織をつくる材料になっていますので、
筋肉づくりだけでなく、健康的な体を維持するためにも、
日頃から十分な量のタンパク質を補給することが大切です。
1日あたりのタンパク質の必要量は、一人ひとり違いますが、
一般的な成人は、体重1キログラムに対して、約0.9~1グラムで、
運動量の多い人や高齢者は、1.1グラム以上が健康維持のために必要です。
また、一般的なレベルの筋力トレーニングをしている人なら、
体重1キログラムに対して約1.5グラム、
プロレベル、あるいは、ヘビーなトレーニングをしていれば、
約2グラムくらい必要になります。
例えば、体重60キロで、一般的なレベルの筋力トレーニングをしている人であれば、
筋肉づくりのために、1日に約90グラムのタンパク質を摂る必要があるということです。
そんなタンパク質は、口から取り入れられてから、一旦、胃や腸でアミノ酸に分解されて、
その後、体内の必要な部位に送られて、そこで機能するタンパク質として再合成されます。
このように、タンパク質は体内でアミノ酸に分解された後、再合成されますが、
その時につくられるタンパク質の種類は、なんと10万種類もあるといわれています。
さらに、その10万種類のタンパク質をつくるのが、
たった20種類のアミノ酸による組み合わせによるものです。
なので、ただ単にタンパク質といっても、
この20種類のアミノ酸のバランスによって、その性質が違ってきます。
その中で、体内で合成することのできないものを必須アミノ酸といい、
イソロシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、
トリプトファン、バリン、ヒスチジンの9種類になります。
これ以外が、チロシン、システイン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、
グルタミン酸、グルタミン、プロリン、グリシン、アラニン、
アルギニンの11種類の非必須アミノ酸です。
これらの20種類のアミノ酸は、どれも健康的な体つくりのためには
欠かすことができませんが、9種類の必須アミノ酸を十分に含んだタンパク質は、
特に重要とされています。
そして、この必須アミノ酸の含有率をわかりやすく数値化して示しているのが、
「アミノ酸スコア」で、100に近いほどバランスが良く、良質なタンパク質となります。
牛肉、豚肉、鶏肉、魚、卵、大豆、豆腐、チーズなどが、
アミノ酸スコア100の食品として挙げられます。
また、プロテインを購入する時も、アミノ酸スコアをしっかりチェックしてみましょう。
できるだけ良質のタンパク質(プロテイン)を摂取すれば、
それだけ筋肉や健康な体つくりに有効となります。
