筋力トレーニングを始める前に、
まずは「その目的は何か?」ということをハッキリ決めなければなりません。
基礎代謝量をアップしてダイエット効果を高めるためとか、
「美しいボディライン」を作るためとか、
ある競技のパフォーマンスを高めるためといったように、
目的によってトレーニングプログラムが違ってきます。
その次に、どの筋肉を鍛えるかという種目。
下半身を鍛えるならスクワット、胸を鍛えるならベンチプレス、
背中を鍛えるならラットプルダウンという種目になります。
種目が決まったら、トレーニングプログラムの三大要素といわれる
「強度・量・頻度」を設定しますが、
この設定が適切であれば、筋力トレーニングの効果は高くなっていきますが、
逆に、その目的に合っていないと、疲れるだけで、
なかなか効果を得ることができません。
「強度」は、何キログラムのダンベルやバーベルを持ち上げるかという負荷の設定で、
それを何回持ち上げて1セットとして、何セットするかが「量」になりますが、
回数は、基本的に限界まで持ち上げられる数になります。
そして、それを超回復を考えながら何日おきにやるかということが「頻度」です。
例えば、胸筋を鍛えるとすれば、
30キログラムのバーベルを10回持ち上げて1セットとして、
それを3セット、中4日空けてやるといったプログラムになります。
ただし、初心者は軽めの負荷で、1セット、15~20回くらいの設定で、
まずは、重さに慣れて、トレーニングフォームを習得することが必要です。
こうしたトレーニングプログラムが、体に変化を与えて筋肉の成長を得るためには、
オーバーロードから漸進性の原則に従って設定することが大前提です。
筋肉は、筋力トレーニングによって日常生活の中でかかる以上の負荷を与えることで、
オーバーロードとなり、それに適応して筋肉はレベルアップしていきます。
しかし、最初の設定のまま、数ヵ月間続けていると、
その強度と量に筋肉が慣れてきて、オーバーロードにならなくなり、
筋力の維持はできても、そこからのレベルアップはできなくなります。
そこから、さらにレベルアップするには、
プログラム内容もレベルアップしなければなりません。
常に、筋肉にオーバーロードをかけるために、
定期的に、少しずつ使用重量や反復回数を伸ばしていく必要があり、
これを漸進性の原則といいます。
逆に、筋力トレーニングをやめてしまうと、
その筋肉は、徐々に落ちて元のレベルに戻ってしまいます。
これを可逆性の原理といいます。
一般的に、トレーニングを止めてから1週間くらいで筋力が低下し、
2週間目くらいから徐々に筋肉量が落ち始めるといわれています。