30歳後半くらいから
「20歳代の頃の食事量と生活リズムは変わらないのに太ってきた・・・」とか、
「若い頃は少し体重が増えても、運動をすれば、すぐにもとに戻った・・・」などと、
感じている人は多いと思います。
若い頃の肥満は、食べ過ぎの食生活と運動不足が大きな原因で、
1日あたりの総摂取エネルギーが総消費エネルギーを上回るという生活習慣によるものです。
ですが、30歳後半から40歳を過ぎた頃になると、
代謝が目立って落ちてきて、それが太る原因になります。
20歳代は、動きもきびきびして、週末は趣味のスポーツをするなど
運動量も多い生活でしたが、
30歳代になると、仕事や家庭のことで忙しく、運動する機会もかなり減ってきます。
さらに、世の中はどんどん便利になり、移動手段は車、電車、バスは当たり前で、
いろいろなものがリモコン操作ができるようになり、
買い物も家までの配達を頼むなど、体を動かさなくても済む生活環境になっています。
こうした楽な生活環境も太る要因になっていますが、
40歳を過ぎて太ってしまう大きな原因は、老化による筋肉量の減少です。
筋肉量と基礎代謝量は正比例関係にあるので、
筋肉量の減少によって基礎代謝量が落ち、
それによって消費し切れないエネルギーが徐々に体脂肪として
溜め込まれて肥満化するというわけです。
基礎代謝は、人が消費する全体のエネルギーの中で、約60~75%ほどを占め、
それに対して、運動などによる活動代謝は、多くても30%程度に過ぎないので、
基礎代謝量の低下がどれだけ重要な問題であるかが分かると思います。
一般的な人の筋肉量は、20歳代の男性で体重の約40~45%、
女性で約35~40%を占め、そのピークは25~30歳といわれています。
その後、筋肉を鍛えるような運動を何もしていないと、
30歳代後半くらいから徐々に減り始め、
40歳を過ぎた頃には、目立って筋肉が減ってきます。
そして、70歳代後半になると、
ピーク時と比べて三分の二まで減るといわれています。
特に足腰の筋肉の衰えは大きくて、
80歳前で自分の両脚では立ち上がれないという人も少なくありません。
このように筋肉量の減少は、
基礎代謝量が低下して太りやすい体に変るだけでなく、
老後の生活にも悪影響を与えることになります。
そもそも人の体は、将来の危機に備えて、
エネルギーを蓄えようとするシステムになっています。
蓄えるエネルギーとして、1グラムあたりのエネルギーは、
糖質や炭水化物の約4キロカロリーに対して、脂肪は約7キロカロリーと効率がいいので、
もしもの時の危機に備えて、脂肪分を余剰エネルギーとして蓄えていくわけです。
ですが、このシステムは、健康のためにはよくありません。
40歳を過ぎて太りやすい体に変る前に、筋肉を鍛える運動習慣を身に付けましょう!
